情報サービス・出版物

  1. トップページ
  2. 情報サービス・出版物
  3. 増田信夫の油外放浪記一覧
  4. 油外放浪記記事

油外の飽和状態を打開する方策あれこれ

コストをかけても伸びなくなった

10月は、当社SSの営業利益は横ばいでした(表1)。

     

前年同月と比べ、経費は600万円増えたものの、燃料油粗利が400万円増、油外粗利は200万円しか増加しませんでした。

経費の増加分以上に油外粗利を伸ばさなければ、燃料油マージンが圧縮した途端、たちまち赤字に転落するでしょう。分かっていながら、手をこまねいていてはいけません。

グラフ1を見ると、かつては1000万円単位で油外が伸びていました。昨年夏より鈍化が始まり、今年に入ると完全に伸びはストップしてしまいました。
経費(特に人件費)を追加投入しても、打開できなくなっている状況が続いています。

    

伸びシロが大きいレンタカー

頭が痛いですが、「知恵を絞れ」と問われているのでしょう。
それぞれの油外商品が、①あとどれくらい伸びるか(潜在実力)、②どれくらい時間をかければ伸びるか(到達時間)を表2に整理してみました。

最も短期で大きく増収できるのはレンタカーです。

レンタカービジネスは「人」ではなく、「車」が稼いでくれるからです。

つまり人の採用・育成・管理の時間を要しません。車を必要最大限に揃えればすぐに改善できます。

しかも今般、当社のSS店長が、レンタカーの利益率をさらに高められる方法を整理し、確立しました。「より稼ぐ車(タイプ、車種、年式)の構成比を高めよ」というものです。


勉強会を通じてこの手法を学んだ店長たちは、今期の事業計画を上方修正してくれました(表3)。当初の計画より1億円アップです。

修正計画に基づき、各店ともに車両を増強しました。そして、3カ月が経ちました。今期7~10月の実績は、修正計画をも上回る7,300万円です。直ちに効果が現れました。


買取・車販の商機は車検

次は車販です。
車販の飽和傾向を打開する方法として、「車の買取」が切り口になるのではないかと実験してみたことを、10月号でご紹介しました。
当社の寒川SSで9日間のキャンペーンを実施、80台を査定し、12台を買取り、15台の販売につながったと記しました。

ところが、このお祭り騒ぎが終わると「査定してほしい」というお客様がめっきり現れません。それもそのはず、計算上、今月車を買い替えようと考えているお客様は100人に1人しかいないのです。キャンペーンではないので、お客様一人ひとりに「査定してみませんか」と聞いてみることもできません。

ただし、例外がありました。
車検のタイミングに限っては、「愛車の査定」に興味を示してくれるお客様がしばしば現れるのです。どうも「車検」の時には車を買い替えたい衝動にかられるお客様が多いようです。そのために自分の車の換金価値が知りたくなるのでしょう。

折しも、当社の仲町台SSと茅ヶ崎SSで、10月に「秋祭りキャンペーン」を実施する予定がありました。

よしッ、この仮説を試してみよう。
当店で車検を実施していただいたお客様のうち、向こう半年以内に車検満了となる1,857人に対してDM(ダイレクト・メール)発信をした後、コールセンターから電話をしてみました。「秋祭りのときに愛車を査定してみませんか」と。

その結果を表4に示します。

電話できたのは428人。
このうち何と193人が「査定してみよう」とご興味をお持ちくださいました。
そして、秋祭り期間中に108人が来店され、査定しました。

その結果、5日間で7台を買取り、11台を販売しました。さらに加えて、5台の買取りと9台の販売のホットな見込み客が発生しています。

なかなかの手応えです。
当社は年間9,000台の車検を実施していますから、入庫時に「査定してみませんか」と意向確認することは可能です。同じように興味を示していただければ、年間300~400台の新たな車販契約が生まれるかもしれません。

SS利用客の7割以上が
車検を予約してくれた

この「秋祭り」は、車販活性化の方向性が検証確認できたという意味で、収穫がありました。しかし、本来の狙いは車検の「青田刈り」でした。

当社はまだまだ車検を伸ばしたいのです。しかし、販促費を増やしても、なかなか入庫は増えません。CPO(入庫1台当たり販促費)が上昇しています。これを何とかしたい。そこでSS来店客に対して、 軒並み「次回の車検をぜひ当店で」と早期予約をとってしまおうという目論見です。

SSというリアルな店舗設備、地域からの信頼感、そしてガソリンの持つ集客力を武器に、他社に先んじて車検需要を囲い込む作戦です。
とは言え、ほとんどのお客様にとって車検はまだまだ先の話。予約していただくには、何らかのインパクトが必要です。
今年3月の車検需要に対しては、ドライブレコーダーをプレゼントの目玉としましたが、これはやや期待はずれでした。

今回はどうしようと頭をひねって考えていたところ、ハタと思いつきました。
今年の夏の異常気温、続いて超大型台風の来襲、家屋が流されたり道路や橋が分断されるなどの被害が続きました。昨冬シーズン中は、豪雪で車内に閉じ込められたニュースも流れました。そして、いつ起きてもおかしくない大型地震の恐怖たるや・・・

今や全国民が「防災」に無関心ではいられません。防災グッズを備えるご家庭も多くなっていると聞きます。しかし、ドライブの最中に「まさかの非常事態」が発生しないとは限りません。



そこで、当社で「車載用防災キット」を作りました(画像1&2)。

原価4,000円以内のオリジナル商品で、2~3日分のサバイバルが可能です。当社社員や周囲の方々に聞いたところ、なかなか好評でした。

さっそく、今回の秋祭りでこれを「車検のプレゼントです」とPRしてみました。






その結果を表5に示します。


5日間で1,111人と商談しました。そして853人から車検予約をいただきました。

来店客の7割以上から予約を獲得できたのは、SSであることの優位性と、魅力的なインセンティブによる効果だと思います。

予約していただいたお客様のうち116人は3カ月以内に車検満了でしたので、入庫日程も決めてくれました。
4カ月以上先の車検のお客様には「事前にお電話しますので、その時に日程を決めさせてくださ い」と伝えています。

この早期予約客に対しても、車番認識システムによる店頭フォロー、顧客管理システムによるD M、コールセンターによる電話フォローを駆使すれば、キャンセル率は最小限に抑えられると踏んでいます。

年末商戦を終えると間もなく、年明け後1~3月の車検キャンペーンが始まります。当社ではこれを全店に展開し、車検収益向上のスプリングボードとしたいと考えています。

油外放浪記一覧へ戻る