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掲載日:2016年9月1日
マガジンX10月号にバリアフリー
レンタカーについての記事が掲載されました。
2020年パラリンピック開催決定でも進まない
レンタカーのバリアフリー化  
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リオデジャネイロオリンピックも閉幕し、9月7日からはパラリンピックが開幕する。つまりは東京五輪開幕まで残すところ後4年となる。これからは関連施設の建設やインフラ整備などがさらに加速するものと思われるが、レンタカーのバリアフリー化についても 急速に進めておく必要があるのではないだろうか?

 

大手レンタカー会社でも進まないバリアフリー化

 いまから4年後に東京オリンピック・パラリンピックが開催される。世界中から東京に人と注目が集まるなかで、海外の人が日本に来て戸惑うのではないかと懸念されることのひとつが日本のレンタカーのバリアフリー対策の不足である。



東京・虎ノ門にあるBMWiのブランドショールーム「BMWiMegacity Studio」では、7月16-17日に車いす利用者向けにニコ・ドライブ製ハンドコントロールを使用したBMW・i3の試乗イベントが開催された。

この試乗会は、i3のピラーレス観音開きドアや、操作系がハンドル周りに配置されているなどの特徴が車いすと親和性が高いことから実現したイベント。

参加者のひとりである千葉県在住の小嶋さんは、「左ウインカーの操作は大変だが5分で慣れた。こうした手動装置は海外では普通にあるのに、日本ではトヨタですら作っていないのが不思議。絶対必要です」と語っていた。

 
 ここで言うバリアフリーとは店舗のことではなくレンタル車両のことである。例えば海外に旅行に行くと、ハーツ、ダラー、バジェットなどの有名レンタカー会社では事前にリクエストしておけば手動式運転装置つきのハンディキャブ(福祉車両)を用意してくれるのだが、日本では車いす仕様車や昇降シート車などの送迎目的の福祉車両はあっても、障害者自身が運転できる運転補助装置つき車両の用意はほとんどない。つまりパラリンピックの出場選手が来日しても競技会場へ移動するためのレンタカーがないということにもなりかねない。

 

  今回、日本の大手レンタカー会社4社にアンケート調査を行ったところ、東京都内のレンタカー店に配備されている福祉車両の台数は、トヨタレンタカーが約50台、オリックスレンタカーが20台、タイムズカーレンタルが8台(ニッポンレンタカーは未回答) であり、そのすべてが車いす仕様車もしくは昇降シート車で、やはり手動式運転装置などの運転補助装置つきの福祉車両を配備している会社はなかった。

 

 これはパラリンピックだけの問題ではない。日本にいる車いす生活者にとっても手動連転装置つきレンタカーがない状態は、仕事や旅行などで日本国内を移動しようとしてもレンタカーが利用できず非常に不自由な状態なのだ。

 

脱着可能な手動運転装置でバリアフリー化は進むか?

 内閣府の平成25年版障害者白書によると、全国の身体障害者数(18歳以上・在宅)は348.3万人で、障害の種類別でみると下肢機能障害は62.7万人だ。これは肢体不自由者の総数176万人のうちの約35%にあたる。

 

 こうした下肢機能障害で車いす生活を送る人の多くは手動運転装置があればクルマを運転することが可能であるが、愛車を所有するためにはいくつものハードルがある。車両購入時には消費税免除や福祉機器に対する補助金を受けられるものの、数十万円もかかる運転補助装置をそれらですべてまかなうことはできない。

 

直営6店でハンドコントロールの濤入を決定したニコニコレンタカーは、GS(ガソリンスタンド)のコンサルティングを行うMICが2008年に立ち上げたレンタカー事業で、現在は子会社のレンタスがFC運営を行っている。店舗数は7月8日時点で全国1447店。そのうちの8割がGSだという。レンタカー会社としては後発であることから、他社との差別化の一環として導入を決定した。6時間2100円からの「生活レンタカー」を謳う同社としては、障害者の生活にも貢献したいとの思いがある。

 さらに車両を売却しようとしても改造車として買い叩かれたり、新車購入時にいままで使っていたクルマから補助装置を移そうとしても新品装置を買わせたい業者は対応してくれない、といった問題が起きている。

 

 こうした問題を解決するひとつとして注目されるのが脱着式の手動運転装置である。脱着式の場合、車両を改造する必要がないため、たいていのクルマなら運転可能になる。その手軽さから装置の導入を開始した企業も現れはじめた。

 

 ガソリンスタンドの格安レンタカーで知られるニコニコレンタカーでは、空港店を中心とする直営6店にニコ・ドライブ製の手動運転装置「ハンドコントロール」を7月4日より導入した。また、関東1都3県で110店舗を展開する関東マツダでも同装置の取り扱いを検討している。

 

 

 

まずは関東エリアを広くカバーできる拠点店舗からハンドコントロール導入を検討しているという関東マツダ。これまでは車いすの人に新車を試乗してもらうことも、入庫時などに代車を提供することもできなかったが、この装置を導入することで、車いすの人にもマツダ車の走る歓びを知ってもらうことができるのではないかと期待している。マツダはメーカー純正の福祉機器がないこともあり、他の自動車メーカーとは異なりフレキシブルな対応ができそうだ。1日も早い導入に期待したい。

 レンタカーに手動運転装置を導入する意義は先述したとおりだが、自動車ディーラーにもこうした装置が導入されると、これまでは装置がなくて試乗ができなかった車いす生活者でも健常者と同じように性能で比較してクルマを選ぶことができるようになる。クルマが文字通り自分の「足」の代わりとなる車いす生活者は健常者以上にクルマの性能には敏感であり、クルマ好きな人も多いのである。

 

 今後は新車ディーラーや販売店、レンタカー会社などでさらに装置の普及が進むことを期待したいが、投資が必ずしも売上向上に結びつかないこうした装置の普及は民間レベルでは限界があり、やはり政府や自治体によるサポートが不可欠ではないかと考える。

 

 


<はみ出し情報>
今回の取材で初めて知ったが、セルフ給油のガソリンスタンドではディスペンサーとの距離や操作パネルの高さの影響で車いすでは給油ができないのだという。こうしたバリアフリー化も必要なようだ。

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