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2019.03.01

代表コラム

油外放浪記第125回「車検とレンタカーが復調 なかでも女性新店長の活躍が光る」

油外の停滞から脱出

当社のSSの1月実績を表1に示します。

     
5店合計で前年の営業利益は270万円でしたが、今年は1,000万円近くに躍進しました。燃料指数も6円からほぼ0円と改善しています。

油外収益を得るには設備、人、販売促進への投資が必須です。試行錯誤も繰り返してきたので当社SSは比較的高コストですが、通常の経費は原則として店長に任せています。投入した経費以上に油外収益を得てくれればいいわけです。

1月は、経費が155万円増えましたが、油外を800万円以上稼いでくれたので申し分ありません。この調子が続けば、私も穏やかでいられます。

過去を振り返ると、2017年夏頃までは、毎月、油外収益を前年比1,000万円以上増やしていました。快進撃でしたが、夏以降は鈍化し、2017年末にはついに前年実績を割ってしまいました。やきもきイライラしましたが、昨年10月頃から復調の兆しです(グラフ1)。

復調の要因は、車検とレンタカーです。車検は前回も述べたとおり、需要そのものが復調しています。

レンタカーは人気車種、すなわち「稼ぐ車」を中心に商品ラインナップを見直しており、収益性が上がりました。車販も担当者が抜けた穴を埋め、人員態勢が整ってきたので、これから攻勢に転じます。

車検を再認識

車検は昔も今も、当社SSの主力商品ナンバーワンです(グラフ2)。

車販やレンタカーも伸びてはいますが、今も収益の3割を占めるロングランヒット商品は車検です。
しかも、車検を実施してくれたお客様は、自動車整備だけでなく、保険、鈑金、車販、買取の最大の見込み客でもあることがはっきりしてきました。

SS業界の車検ビジネスヘの取り組みは、1995年に道路運送車両法が改正された時に始まりました。あれから四半世紀が経ちます。「SS車検はすでに成熟した」「今さら車検?」と思われる事業者様もいらっしゃると思います。

しかし私は「されど車検」と改めて見直しています。
とりわけ生産性の高い車販は、車検客を囲い込むことが大きな営業基盤となるからです。

グラフ3は当社SSの過去10年間の車検実績と営業利益の推移です。

ジリジリと車検台数が減り続けていましたが、2012年末に商品、販促、販売管理を見直し、3年間かけて年間8,000台に倍増させました。販促費はかさみましたが、赤字体質から脱却できました。現在は年間車検10,000台に挑戦中で、リピート率の向上や店頭販売力の強化に注力しています。

そして今年も1~3月は恒例の車検キャンペーンを実施しています。表2はその目標値で、達成すればSSを臨時休業し、温泉旅行を約束しています。

      
最近の若い子は社員旅行などに興味がないと言われますが、当社SSは社員もアルバイトも、なぜか温泉旅行でワイワイするのが大好きです。昨年は目標が達成できず悔しい思いを味わいましたが、今年は「何が何でも温泉旅行」と気合い十分。
1月は目標をクリアしており、今のところ順調です。

個人プレーからチームプレーへ 新店長の活躍

当社のSSに、初の女性店長が誕生しましたのでご紹介します。
寒川店の店長を、昨秋、新設した堀之内店の店長に異動させました。その後任を引き継いでくれたのが、Nさん(32歳)です。

彼女は2012年に寒川SSを運営継承した時、アルバイトとして来てくれた、シングルマザーです。寒川店は、商圏需要が限られた神奈川県の田舎町にあります。
車検もレンタカーも伸び悩み、運営継承してから、以来、一度も黒字になったことがない、当社の「お荷物」SSでした。しかし、2015年に新商品「新車リース」を実験的に投入したところ一転、黒字に転換しました(グラフ4)。

その原動力となったのがNさんです。
負けん気が強く勉強熱心で、車販でみるみる頭角を現し、2014年に正社員となりました。そして「新車リース」が投入されると、水を得た魚のように、毎月300~500万円の車販収益を獲得し続けてくれました。

誰もが認める実績と、前任店長の強い推薦もあり店長に抜擢したわけです。
正直なところ、私は危惧していました。優れた車販の資質や目標達成意欲は認めます。しかし、社員歴4年弱、若い女性、シングルマザーというハンディを抱え、店舗リーダーの職責を果たせるだろうか、老練な先輩社員がおとなしく従うだろうか、責任感やストレスに押しつぶされ、うつ病にならないだろうか…。本当に心配でした。

しかし、案ずるより産むがやすし。彼女は期待以上の活躍です(表3)。


マネジメントに時間をとられ、得意の車販は見るべき成果が出ていません。しかし、店舗スタッフたちとベクトルを合わせることに専心し、チームとして実績を伸ばしています。何と、車検とレンタカーで月間ギネスを更新しているのです。1月は月間最高利益を確保しました。

新設店は赤字にあえぐ

一方で、社運を賭けて昨年11月に新設した堀之内店の実績が奮いません。
12月は943万円の赤字、1月も800万円の赤字。うんざりする数字です。

年間1億円の利益目標を公言していますが、一部の業界の方から眉をひそめられていることも承知しています。どうぞ「それ見たことか」と笑ってください。大言壮語を吐いた私たちは今、苦しみのたうち回っています。

燃料油も油外も、すべて計画を大幅に下回っています(表4)。

     
寒川店を見事、黒字化した店長を異動させ、既存店で得たノウハウを全力で投入するので失敗するわけがないと、立てた計画がそもそも甘かった。

車検のリピーターゼロの状態で、月間150台をなぜ獲得できると思ったのか。車販で500万円の収益を得るには、2カ月前に20台を契約していなければ納車できないはずなのに、11月は店も私もオープンイベントとオペレーション確立に忙殺され、車販どころではありませんでした。

勢いだけで作成した計画を見て、今さらながら唖然としています。
唯一レンタカーだけが、計画値を上回り始めました。
12月にはレンタカーを25台しか用意できませんでしたが、躍起になって増車し、1月末までに約60台を配備しました。

学生の多い街なので、3月の春休み需要を期待しつつ、2月末までに100台にする予定です。
ともかく経営者としては営業赤字が継続し、キャッシュがショートするような状況だけは避けたい。その悪夢から逃れるため、できることは何でもします。各部門に無理をさせ、レンタカーを短期間で増車していますが、もしも車両1台当たり月間10万円を稼いでくれれば、レンタカーだけで1,000万円の収益が上がり、SSが黒字化するかもしれません。
いずれにせよ、当分の間、堀之内ssから目を離せません。

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