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2024.06.28

代表コラム

油外放浪記 第186回「年間数億円の営業利益を、まずは車販から次にレンタカーから積み上げる」

本稿の読者がたくさんいることを知り、感謝

先日、久しぶりにニコニコレンタカーの会合に出席しました(画像1) 。

フランチャイズ・チェーン(FC) 店のうち、「トップランナープログラム」という業績改善プログラムに参加されたお店の会合です。
担当者が毎月ミーティングを行っているのですが、コロナ禍以降、リモート開催となっていました。今回は、実に4年ぶりのリアル会合となり、私も招かれたというわけです。やはり顔を合わせて話をするのは楽しいですね。

ミーティングの参加店は、当社の直営SSで開発・検証した「レンタカー高収益化テクニック」を学習され、FC本部の指導のもと、1年間をかけてこれを実行します。ほとんどの店がレンタカー売り上げを2倍、3倍にして、卒業されます。

今回は、現役参加店だけでなく卒業店も参加されました。店長ならびに経営トップのご参加で、総勢100名を超えました。 勉強会後に開催された懇親会も、大いに盛り上がりました。

懇親会でたくさんの方々とお話しできたのは、よい刺激になりました。驚いたことに、本稿「油外放浪記」の読者がたくさんいらっしゃいます。「真っ先に読んでます」とのお言葉を、皆様から頂戴しました。

当社はSS運営と別に、SS業界向けのマーケティング支援を本業としていますが、ここ10年来、SS業界人の元気がなくなってきていると感じていました。この連載も15年間担当させていただいておりますが、一般的なSSの実態とは随分かけ離れてきた感のある当社のSSの、自慢たらしい文章を、もう誰も読んでいないだろう、そろそろ連載をやめようか、と本気で考えていたのです。

しかし、興味深く読んでくださっている読者がたくさんいると知り、元気が出ました。もう少し頑張ってみようと思います。ありがとうございます。

2月の油外粗利が2億円の大台に

いつものように、当社直営SSの月次実績を振り返ります(表1)。

2月はまずまず順調でした。
8店合計で、営業利益は2,700万円。前年より700万円増収しました。経費を1,000万円増やし、油外粗利が1,800万円増加しました。つまり、経費の増加分は健全な投資だったと言えるでしょう。

油外粗利が2億円を超えたのは、2月としては初めてです。大きく伸びたのは、車販です。
燃料油は、昨年夏以来、減販傾向にありましたが、2月は微増。人手がかからず1,500万円が転がり込んでくるのはありがたいです。

今年も年始から車検キャンペーン中

車検は前年比横ばいです。その根本的な理由は、設備のキャパシティであることを、本誌先々月号で述べました。
とは言え、手を抜けば、たちまち減少してしまうのが車検です。油断がなりません。

今年も恒例の車検キャンペーンを実施しています。
3月の車検需要期に向け、販売担当者のスキルを研ぎ直すことも狙って、毎年1~3月に実施しています。
今年も手を抜かず取り組んでいますが、台数目標は前年比101%、粗利目標は同105%としました(表2)。

客数よりも客単価に重点を置いた計画です。
2月実績が締まった中間実績を見ると、台数・粗利ともに昨年実績を上回り、目標にもギリギリ絡んでいます。3月ラストスパートで、どこまで追い上げるでしょうか。SSスタッフへの目標達成褒賞は、今年も箱根温泉旅行です。

自動車販売力強化キャンペーンを計画

先月号で当社は、SS社員の平均年俸を700万円にするために、車販を伸ばす方針であると述べました。車販の年間粗利を、現状7億円のところ、向こう5年間で16億円に伸ばすという計画です。
懸念点は、政府や都知事などの「鶴の一声」です。もしもEV(電動車)化の波が急速に来てしまえば、この計画は頓挫します。ただ最近は、世界的にEV市場の伸びが鈍化していますので、日本国内では、まだ5年やそこいらは元気にガソリン車を販売できそうです。
いずれにしても、今の車販は時限ビジネス。やがて衰退するまでの、時間との勝負です。

そこで販売力を高めるために、キャンペーンを実施することにしました。販促などの負荷をかけると、販売力が格段に上がることがよくあり、車検では毎年やっています。3月の車販目標400台-前年比1.8倍を目指し、キャンペーンを企画中です。
同時に、中古車在庫を強化しました。現在の保有在庫は700台。これを800台に増やすべく、本部の仕入れ担当者、商品化担当者は忙しく立ち回っています。
キャンペーンを機に、中古車「業販」にも本格参入します。

当社が組織的に作ってきた仕入れや商品化機能のパフォーマンスが、全国の中古車業者に評価されてきたのでしょう。昨年までは月10台前後の販売実績でしたが、今期は、月50台ビジネスに育っています。「小売り」と異なり、1台当たりマージンは少ないですが、ASネット(中古車小売支援サイト)などの業販サイトを利用し、高い生産性が得られることも確認しました。
3月目標400台のうち、100台は業販です。担当者も息巻いています。健闘を祈ります。

借りたい人に貸す、それだけで数千万円の利益

さて、当社のSSの、今期2月までのレンタカー実績を(表3)に示します。

1台当たり月間実績を見ると、売り上げは102千円。経費56千円を差し引いた営業利益は、46千円です。
8店で500台以上のレンタカーを運用していますので、年間営業利益を計算すると、2.8億円となります。この数字を念頭に、先のトップランナープログラム参加店のご発表や事例研究を拝聴しましたが、同等またはそれ以上のパフォーマンスを発揮されている店が多いことが判明しました。

ただ、当社と異なるのは、車両保有台数です。
当社は、店の商圏需要に応じて車両台数を調整しています。多い店は100台以上保有していますが、需要が少ない田舎の店は10~30台です。

もし需要を読み誤ったとしても、車は換金できますので、設備の過剰投資というリスクはまったくありません。
しかしながら、推定需要が月間600万円、同800万円、同1,000万円以上あるにもかかわらず、30台そこそこで満足してしまっている店が多いのが気になりました。

レンタカーは、「車を借りたい」という需要に対して「車を貸す」ビジネスです。需要の限り車両を増やせばよいだけなのです。
レンタカーは、天下の公道で稼ぐので、店の規模や設備による制限はありません。セールスマンも不要。駐車場 は、東京都23区の一等地でもない限り、店の近隣で50台、100台を借り増しすることが可能です。仮に、1台当たり月間利益が46千円の店なら、年間営業利益は、50台なら2,800万円、100台なら5,500万円になるのになぁ。実に残念です。

当社のレンタカー事業構想に多数の共感

それを尻目に当社が目指すのは、レンタカーで年間5億円の営業利益を積み上げることです。
先の車販5カ年計画で、車販粗利が年間16億円になったとして、営業利益はせいぜい3億円程度でしょう。しかも脱炭素社会が本格化するまでの時限ビジネスです。したがって、車販で得た利益は、次世代ビジネスに再投資します。

再投資の本命が、レンタカーです。
既存の直営SSでは、500台でほぼ需要を満たしました。そこで他の市場に出店します。 SS兼業店と異なり、家賃や人件費が別途かかるので、利益率は大きく下がるでしょう。

しかし、500坪200台の店を10店舗増やせば、レンタカーで5億円の営業利益が出ます。たとえ車販ビジネスが落ち目になったとしても、リストラせずに新体制が出来上がるという構想です。

・・・という話を、先の会合で発表しました。「年間数千万円の営業利益が上がるレンタカー店づくりを一緒にやりませんか、お手伝いしますよ」とお誘いしたところ、たくさんの経営者から手が挙がりました。

SS業界にあって、将来が見通せず、それでも悲観、諦観していない方は、決して少なくありません。私は嬉しくなりました。

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