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増田信夫の油外放浪記  MIC社長増田信夫 第101回 今年も年初からエンジン全開

「車検年間1万台」が現実的になってきた

トランプ新大統領が世界を揺るがせています。
私にとっては「対岸の火事」ですが、いずれSS業界にも余波が及ぶでしょう。「さざ波」程度であって欲しいと願いますが、いずれせよ確固たる収益力を構築しておかなければ、波に押し潰されてしまいかねません。

「表1-①」は、当社SSの2016年12月の実績です。
前年同月と収益を比較すると、燃料油は100万円も下回りました。しかし、利益は70万円増え、燃料指数が5ポイント改善しました。

     

大きく改善したのが、やはり車検、車販、レンタカーです。
この3品で300万円増加し、油外収益は1,460万円となりました。

当社SSも以前は12月になると洗車前売り券をバーゲン販売したものです。実に2,000万円を瞬間的に稼ぎました。しかし、これは年明け以降の洗車収益を先取りしているに過ぎません。スタッフのモチベーションが低下するので中止しました。

続く2017年1月の実績が「表1-②」です。
やはり車検、車販、レンタカーが好調で、前年比300万円増です。

車検は前年比平均37台増えました。全店で200台近い増販です。駅伝のようにこのペースが12カ月間続けば、前年比2000台以上の増加ですから、悲願の「年間1万台」に到達できるかもしれません。

 

今年も1~3月の車検シーズンは力一杯キャンペーンを実施しています(画像1)



3カ月間の目標は2,500台、
収益1億円です(表2)

昨年は販促費をケチって2,024台でしたから、今年は販促費を1,000万円近く増やし、約3,000万円を投入しています。

 

車検作業キャパシティも倍増中

当たり前ですが、車検は役務サービスですから事前に生産しストックしておくことができません。したがって、受注数を拡大することは、処理能力を拡大することと両輪あいまって成立します。

当社5カ所の直営SSのうち、横浜市の港北ニュータウンに位置するのが仲町台店と茅ヶ崎店です。この2店で車検受注全体の6割を占めますが、その作業は、2003年に設立した整備工場で行なっています。

リフトは3基。工程管理のコンサルタントにも指導してもらいましたが、月間600台が限界です。
昨年は、このキャパシティを超えて「お断りせざるを得ない」お客様が出てしまいました。今年も残念ながら出始めています。

ただしラッキーなことに、工場の隣にあったコンビニが、昨年秋に撤退しました。
すかさず地主さんと交渉し、お借りする手筈(てはず)を整えました。1月から工事にとりかかっています。整備士の採用も始めたので4月からは車検キャパシティが倍増する予定です(表3)

今年の車検シーズンには間に合いませんでしたが、今後が楽しみです。

将を射んと欲すれば馬を射よ

さて、次は車販の話です。
私が「車販」にこだわるのには理由があります。

例えば、テレビが壊れたら、それを買った電気屋さんに行きます。家の修理は、建ててくれた工務店に相談します。同様に、車の修理も買った店に行くのが普通です。
整備も板金も車検も保険も、様々な油外需要を効率良く販売するには、大元の「車」を販売するしかないと考えていました。

もしもSS利用客の大半を、自店で販売した車で占めることができれば、これに勝る販売促進はありません。
燃料油販売量が月販250klのSSを想定しましょう。
固定客数は約4,000人です。 車の買い替えサイクルは約8年ですから、年間500人のお客様がどこかの店で車を購入しているわけです。

その半数の250台を、もし当店で買っていただければ、8年後には来店客の2人に1人が 「当店で売った車」となるわけです。
というわけで、月間車販台数の目標を20台と決めました。
呪文のように「月間20台、20台、20台…」を繰り返しては、この10数年、七転八倒を繰り返しているわけです。

なかなかうまくいきません。
SS当たり月間4~5台と販売台数が長く低迷しているうち、もしかしたら「SS」というビジネスフォーマットで20台の車を販売することは不可能なのではないか、と弱気になったこともありました。

しかしついに昨年、1SS当たり月間平均12台となりました(グラフ1)


このブレイクスルーを果たしてくれたのが、2015年夏から投入した「個人向けオートリース」です。これが「車を買い替えたい」お客様を集め、車販ビジネス全体の活性化に寄与したのです。

なかなかの手応えを感じています。月間20台の背中が見えてきたかもしれません。
そして、車販ビジネスを五里霧中でもがいているうち、思わぬ結果が出ていることにふと気づきました。燃料指数が毎月継続してマイナスになっているのです。

月間200万円もの車販収益を得ても、販促費や人件費はほとんど増加していません。つまりSSの収益体質が劇的に変化したのです。私がSS経営に乗り出した1988年以来、「オートバックスのように油外収益だけで総経費を賄う店をつくりたい」と思ってきましたが、いつの間にか実現していたわけです。

そして今年1月。前述のように車検が売れましたが、車も売れました(表4)

全店合計で106台、1SS当たり21台です。これは瞬間風速的な数字かもしれません。

でも、店頭は車検一色でほとんどのスタッフが車検販売に意識を集中していた中での車販実績ですから、嬉しい結果です。一つハードルを超えた感じがしています。

もちろんSSの立地や車販担当者のスキルによって、まだバラツキはあります。どのSSも毎月20台が売れるよう、仕組みに一段と磨きをかけたいと思っています。


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