SS全般

油外放浪記第118回「レンタカーの「常識」を覆せ!!」

車検が復調 車販とレンタカーは堅調

当社は6月が決算期ですが、期末の6月もSS部門は掉尾(ちょうび)を飾ってくれました〈表1〉

前年と比べると、燃料油が370万円増収、油外が480万円増収となりました。経費は600万円増加したものの、営業利益が250万円増えました。

経費の増加以上に油外収益が伸びていないのは残念ですが、今秋の新店オープンに向け、人材を新規採用・育成しているので、致し方ありません。

車検が入庫台数、収益ともに前年を超えたのは、昨年5月以来のこと、1年ぶりです。長いトンネルから、ようやく抜け出せた感じでしょうか。「車検」の足踏みをカバーしてくれたのは、「車販」と「レンタカー」です。


〈グラフ1〉
を見ると、この3年間、車検はほぼ横ばいです。

車販は2016年に「新車リース」を投入してから、大きく伸びました。今年はその勢いがやや緩やかになっているので、人、販促、方法論などを強化する必要があるかもしれません。

堅調に伸び続けているのは、レンタカーです。特に今年は、前年比130%以上の伸びを示しており、今なお「伸び盛り」です。

SSレンタカー10年の環境変化

「SSレンタカー」が世の中に登場してから10年が経ちました。巷では、「SSレンタカーはもう古い」「市場はすでに成熟している」「早晩カーシェアリングに取って代わられる」といった声が聞かれます。

まったくの間違いだと思います。
確かに「SSレンタカー」が登場した当初のビジネスモデルは、「安い中古車を調達し、整備して貸し出す」だけでした。

SSが本来持っている店舗や設備、接客、洗車、整備などのスキルをそのまま活用できるため、安価に提供できました。すると、時代に敏感な「新し物好き」のユーザーが殺到しました。彼らは「これで十分、何の問題もない」と絶賛してくれました。
こうして市場は、急速に拡大しました。

ユーザー層が拡大するにつれ、いわゆる「普通の人」が利用者の多くを占めるようになります。「安い」だけでは満足しないお客様が増えました。
接客や車の品質に落ち度があると目をつぶってくれません。こうしてユーザーの求める品質基準に満たないレンタカー事業者が、次第に淘汰され始めました。

当社SSもご多分に漏れず、レンタカー業績が一時期低迷しました。「レンタカーは放っておいても儲かる」からと、新人や事務員に任せっきりになっていたからです。

これに気づいた私は、レンタカー業績をスタッフの評価基準に反映させました。その途端、レンタカーが息を吹き返したことは、以前に述べたとおりです。

つまり、市場が急成長していて、その変化に対応しているSSは今なお成長し続けています。お客様の声に耳を傾けず、変化に対応できない人が「SSレンタカーはもう古い」などと言っているに過ぎません。

さて、市場の変化を最も敏感に感じているのは、やはり現場スタッフです。
ですから、当社は、業績を評価に反映させる代わりに、レンタカーの運用、調達、処分など一切の権限を店長に与えています。

これによって著しく成長したのが仲町台店です〈グラフ2〉。月間200万円だったレンタカー売り上げを、3年間で600万円以上に伸ばしました。

同店の店長は、2015年に就任しましたが、我が社で最もレンタカーのポテンシャルを肌で感じている人物でしょう。車両台数をどんどん増やし、取り扱い時間を延長し、真っ先に、接客の良いスタッフをフロントに据えたのも彼です。

こうして3年間、SSレンタカーの最前線に携わってきた彼は現在、一つの境地を確立しつつあります。従来の常識にとらわれない驚くべき合理的な方法論の一端を、今回ご紹介したいと思います。

高稼働車よりも稼ぐ車

当社が10年前にレンタカービジネスを開発していた頃、多くの専門家やコンサルタントから「稼働率のマネジメントこそがレンタカービジネスの要」だと教えられました。

いわく「レンタカーの稼働率を、できるだけ60%前後に保つよう、増車や広告宣伝を行いなさい」と。(※稼働率60%とは、週末はフル稼働、平日50%くらいが目安となる)。

ところが実際にレンタカーをやってみると、車を増やせば、増やした分だけ売り上げが上がります。幸い「ニコニコレンタカー」は、ブランド認知率が年々上昇していますので、「車を増やせば売り上げが上がる」単純な方程式が成立するのです。成長ビジネスとはこういうものなのですね。

実際、ニコニコレンタカーの看板を掲げる1500店を、保有台数と売り上げの相関グラフにプロットしてみると、見事に正比例分布します。

〈グラフ3〉は、仲町台店の車両台数と売り上げの推移です。まさに方程式通りです。
・・・ですが、ふと稼働率の推移〈グラフ4〉を見ると、何と下がっているではありませんか!?

これを店長に指摘すると人差し指を立て、指を左右に振りながら「チッチッチッ」というジェスチャーをします。

「単価の高い車の構成比を増やしているんです。ですから、稼働率は低くなりましたが、車1台当たりの売り上げは、逆に増えているんです」と胸を張って見せるのです。
彼がとうとうと語ったことをまとめてみます。

➊人気車種を揃える
これまで私たちは、「レンタカーのお客様は車種にはあまりこだわらない。だから、安くて程度のいい車を仕入れればいい」と安易に考えていました。しかし、店長は「SSにお客様がつくんじゃありません、車につくんです」ときっぱり言います。

「リピーターさんはいつも同じ車種を希望されます。2カ月先までの予約状況を毎日見ていますが、早く予約が埋まる車と、直前に埋まる車がはっきり分かれます。同じコンパクトカーでも、たとえば「マーチ」より「フィット」の方が断然人気です。ですから、不人気車を処分して、人気車種を揃えるようにしました」

➋稼働率にこだわらない
「人気車種には、実はミニバンやワンボックス車も多い」と彼は言います。
「これらは平日ほとんど稼働しません。でも、単価が高いので、土・日に稼働するだけでコンパクトカー)以上に稼ぎます。シーズン中は1台30万円くらいを稼ぎます」
これを聞いた私は、全国の二コニコレンタカー店の全車両の、稼働率と月間売り上げを車種別に調べてみました。

稼働率が高い車種は、コンパクトカーや軽自動車がズラリと上位を占めます。
最高稼働車種は「Nワゴン」。稼働率は全国平均70%、月間約7万円の稼ぎです。
一方で、売り上げの多い順に車種を並べると、7人乗りのワンボックスやミニバンが上位を占めます。第1位が「オデッセイ」で月間売り上げ10万円。でも稼働率はたった39%。
稼働率とは、店にとっては「手間」を意味します。手間が少なく売り上げが多い車の方がいいに決まっています。

➌高単価車種は2割が目安
「でも、社長ッ」と店長は続けます。「よく稼ぐからといって、「オデッセイ」や「ノア」といった高単価車種ばかりをラインナップしてもダメなんです。安価な「Nワゴン」や「フィット」を普段は使ってもらって、そういうお客様が、ときどき引っ越しやレジャーの際、大きい車を利用してくれるんです」
なるほど、これがSSレンタカーの真骨頂だと納得しました。安い車で集客し、高い車で効率よく稼ぐ。SSレンタカーは生活密着型ビジネスですから、CS(顧客満足度)を保ち、リピーターを増やすことで、高単価車種が稼働するわけです。

「では、高単価車種の構成比は?」と聞くと、「仲町台店で2割くらい」と彼は見ています。
今年に入ってから、仲町台店は、四駆のRV車や大型ミニバンを次々と導入しています。聞くと「周辺のレンタカー屋さんやカーシェアリングで扱っていない車種を試しているんです。お客様アンケートでも時々、希望があるんです」「仕入れは50万円くらいかかりますが、3~4カ月でモトを取れますし、こういう車は、走行距離が増えても、あまり価値が下がらないので、もしダメでも損はしないんです」と、したたかさも垣間見せます。たとえば、今年1月から投入した「エルグランド」(平成17年式、走行距離86,700km、37万円で購入)が現在、毎月約10万円を稼いでいます〈グラフ5〉

これを2年間運用すれば、売り上げ240万円、経費は想定90万円。2年後の売却益が最低でも5万円あるとすれば、2年間に150万円(月間平均6万円)以上の利益を生み出します〈表2〉

利益率は何と63%。こういう金の卵を産むガチョウを保有できるのも、地元生活者を基盤としたSSレンタカービジネスの醍醐味でしょう。

当社は数年前から、「年間5,000万円以上の営業利益を生み出すSSを創ろう」と、店づくりのビジョンを掲げています。今回の決算で、ついに仲町台店が5,300万円の営業利益を計上し、見事達成しました。

年間油外粗利は2.9億円。このうちレンタカーは7,300万円を占めます。レンタカーの経費は、車両、保険、駐車場などで3,600万円。したがって、利益率は50%(投資効率200%)。
お客様と向き合って真面目に取り組めば、これほどおいしい商材はありません。

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