車販

トヨタの変革【濱田敏英】

MICコンサルタント: 濱田敏英(営業開発第6チームリーダー)

こんにちは、MICの濱田です。
MICでは、チームリーダーをしながら、全国のカーディーラーからの車両の仕入や、個人向け新車リース「定額ニコノリパック」の導入研修実施やPDCAといった販売のお手伝いをさせていただいています。

トヨタがいま、大きく変わろうとしています。

2019年4月1日から、東京ではトヨタの販売会社4チャネル(トヨタ、トヨペット、ネッツ、カローラ)6社が統合され、全店でトヨタの全車種が買えるようになりました。
4月1日に「トヨタモビリティ東京」として統合され、看板も変わり、東京地区の店舗は徐々に共通の外観になり、トヨタの全販売店で全車が扱われることになります。

この背景には、トヨタが2018年11月に発表した国内販売網の変革があります。
2022〜2025年に国内ディーラーの全店が全車を扱う体制へ移行するという内容でしたが、さらに予定が早まり、来年2020年5月1日から全国のトヨタ店でチャネルを問わず全てのトヨタ車両が購入できるようになるそうです。

これに伴い、車種数も30車程度に半減されます。
アルファード/ヴェルファイア、ヴォクシー/ノア/エスクァイアといった姉妹車が不要になるためです。
これまでトヨタ系列の販売各社は系列ごとに取り扱い車種を専門化し、入念な顧客サービスにより着実に販売を重ねてきたのですが、それが今回いよいよ廃止されることになりました。

私は、このトヨタの変革には2つの狙いがあると考えています。

1つめの狙いは、合理化です。

販売系列の都合だけで開発されてきた姉妹車を無くすことで、メーカー側の開発の負担が軽くなります。
また販売店の統廃合も進むでしょう。例えばトヨペット店とカローラ店が並ぶ場所などは、どちらか一方の販売店が廃止になる、という事態もおこるはずです。

このような動向は、トヨタだけではありません。
かつてトヨタのように系列化されていた他メーカー販売店でも、系列の統合によって販売店舗の減少が起こっています。
※日産 約3,100店舗から約2,100店舗に減少
※ホンダ 約2,400店舗から約2,200店舗に減少
今後トヨタでも、販売会社間の競争が激しくなり、強い会社が生き残っていくでしょう。

2つめの狙いは、多角化です。

トヨタは近年、シェアリング事業やサブスクリプション事業など、新しい形のモビリティ提供サービスに力を入れています。
さらにはEV、MAAS、自動運転などなど…自動車業界は100年に1度といわれる変化の真っただ中です。
そんな中では、姉妹車種の開発・販売にリソースを割いている場合ではありません。
全く新しい製品やサービスを次々と生み出していくことが求められます。

トヨタは、そためには販売店との連携をこれまで以上に強化していく必要があると考えているのではないでしょうか。
合理化によって生き残った強い販売店とより強力なタッグを組むことで、これまでにない豊かなユーザー体験を生み出していく。
今回の販売チャネル統合にはそんなトヨタの強い意志があるように私は感じています。

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